脳神経内科

ご挨拶

診療理念は、1)救急指定の“市⽴”病院の内科の1部⾨として、急性疾患の脳⾎管障害や機能的疾患に対応し、2)中河内地域の神経内科の中核病院として、脳炎やギラン・バレー症候群、多発性硬化症等の神経免疫疾患や、慢性疾患である神経変性疾患等の診断から⼀貫した治療を⾏うことです。特に神経難病に関しては、ノーマライゼーションの観点から、⼤阪府や東⼤阪市保健所と協⼒し、当市のみならず⼋尾市・⼤東市の神経難病患者診療のセンター的役割を果たしています。本年からは⼤阪府難病医療連携拠点病院(府内12施設)に指定されました。難病患者が地域で安⼼して在宅療養が続けられるよう、地域医療連携を推進して在宅医療体制の整備と強化を図っていきます。脳卒中診療では、脳神経外科と協⼒し救急隊員からの電話を直接受ける“脳卒中ホットライン”を活⽤し、2020年2⽉からは脳当直体制となりました。また、⼤阪⼤学神経内科の基幹施設として、神経内科医を志す医学⽣の実習受け⼊れを積極的に⾏っています。

部長隅 寿恵

研修の特徴

歩⾏障害や痺れを訴える患者に対して、どの神経あるいは⾻格筋が障害されているのか、疾患の病態は何かなどを考えながら、問診し診察することは神経内科診療の基本です。この基礎作りを学びながら、上級医と⼀緒に診療計画を⽴てるのが初期研修、主治医として⾃ら検査/治療の計画を⽴て上級医の指導を受けるのが専攻医研修となります。病勢の悪化により神経症候が悪化したり、治療によって改善したりする中で、⾼次脳機能も含めた神経学的診察と問題解決の⽅法を体得します。類似する症例報告や⽂献・著書を調べることで症例をより深く学びながら、患者の希望する形での退院を⽬指して症例経験を積んでいきます。神経・⾻格筋の⽣検や剖検症例の病理解析は臨床経験と合わせて考えることで、より深く症例を理解することができる貴重な経験です。井の中の蛙にならないよう、学会で症例報告することは、重要な研修項⽬のひとつです。専攻医には英語での発表も勧めています。検査⼿技を学ぶ講習会・勉強会など、診療の合間をぬって積極的に参加します。

概要・実績

在職医師

医監・副院長 中 隆 -日本内科学会 認定内科医・指導医
-日本神経学会認定 神経内科専門医・指導医
-日本頭痛学会認定 頭痛専門医・指導医
-大阪大学医学部 臨床教授
-日本内科学会評議員
-日本神経学会代議員
部長 隅 寿恵 -日本神経学会認定 神経内科専門医・指導医
-日本内科学会認定 総合内科専門医
-日本内科学会 認定内科医・指導医
-日本認知症学会認定 認知症専門医
-日本神経病理学会認定 神経病理認定医
-日本神経病理学会代議員
医員 石倉 照之 -日本内科学会 認定内科医
-日本神経学会認定 神経内科専門医
医員 中野 智仁 -日本内科学会 認定内科医
-日本神経学会認定 神経内科専門医
医員 藤田 尚宏
専攻医 石川 真央
専攻医 三木 崇良

症例数

神経変性疾患(パーキンソン病、運動ニューロン病など) 87例
脳⾎管障害 151例
脳炎・髄膜炎 13例
神経免疫疾患(ギランバレー症候群、CIDP、多発性硬化症など) 24例
末梢神経障害 24例(神経⽣検5例)
筋疾患 11例(筋⽣検4例)

(2019年実績)

学会・研究発表

学会
  • - 3回/年 ⽇本神経学会近畿地⽅会
  • - 1回/年 5-6⽉ ⽇本神経学会学術⼤会
  • - 5回/年 ⽇本内科学会近畿地⽅会
  • - 1回/年 6-7⽉ ⽇本神経病理学会学術⼤会
  • - 1回/年 7⽉ Movement Disorder Society Japan (MDSJ)
  • - 1回/年 11⽉ 臨床神経病理懇話会
  • - 1回/年 11⽉ ⽇本難病医療ネットワーク学会学術集会
  • - 1回/年 3⽉ ⽇本脳卒中学会
  • - 1回/2年 世界神経学会(WCN)
研究発表
  • - ⻄池⽒暉ら 細菌性髄膜炎の経過中に急性⽔頭症、多発性脳梗塞を合併した脳膿瘍の1例 ⽇本神経学会第112回近畿地⽅会(⼤阪)
  • - 藤⽥尚宏ら ⾼度の視⼒低下を伴った眼窩筋炎の1例 第222回⽇本内科学会地⽅会(⼤阪)
  • - ⼩川拓也ら 病勢安定期に発症し診断に難渋したリウマチ性髄膜炎の⼀例 ⽇本神経学会第113回近畿地⽅会(⼤阪)
  • - 隅寿恵ら PLA2G6関連神経変性症のαシヌクレイノパチーにおけるtyrosine hydroxylaseの関与 第59回⽇本神経学会学術⼤会(札幌)
  • - 棚橋貴夫ら 前頭側頭葉変性症が先⾏したALS dementia症例の辺縁系におけるTDP-43の局在 第46回臨床神経病理懇話会(京都)
  • - ⼩川拓也ら かかりつけ医が意識すること〜難病患者在宅医療⽀援事業を通じて〜 第6回⽇本難病医療ネットワーク学会学術集会(岡⼭)
  • - 浅井可奈⼦ら Fused in sarcoma (FUS) pathology observed in an autopsy case of ALS/MND-plus clinical syndrome. WCN 2019 (Dubai)
  • - ⻄川徹ら The incidence of new-onset refractory status epileptiocus in the patient with encephalitis. WCN 2019 (Dubai)